校長室より

令和2年度第3学期始業式式辞

 コロナの影響で休校、分散登校、学校行事の縮小など異例の年となった令和2年度も今日から3学期です。感染症対策を万全に取りながら、やり残したことのないよう、学年の総仕上げの学期にしてもらいたいと思っています。

 1年生には、類型や選択科目を決める大切な時期ですが、自分の将来を見据え、しっかりと歩みを進めてほしいと思います。

 2年生は、ついこの間入学したと思っていたらもう最高学年になるのだと感じる人も多いと思います。最後の一年はもっと早く過ぎ去ります。将来を左右する進路選択が目前に迫ってきました。焦らず、慌てず、諦めず、じっくりと自分を見つめる時間をとってほしいと思います。保護者と具体的に、学校名、会社名を出して相談する時期だと思います。長い人生の中で、避けて通ることのできない重要な時です。恥ずかしがらず、たくさん話し合ってください。

 そして、3年生。いよいよ高校3年間の総仕上げの時期です。共通テストまであと1週間。ベストの状態で実力を発揮できるよう体調管理に気を付けてください。全国には、同じように不安と闘いながら必死に努力している高校生はたくさんいます。そして、本校にも、同じ目標に向かって頑張りあった仲間がいます。支えてくれている先生方がいます。ベストを尽くし、最高の結果を残すことができるよう応援しています。

 さて、皆さんも報道で知っている通り、コロナウイルス感染症についての愛媛県の状況は、陽性件数の増加傾向が続いております。3年生については、進学や就職に向けて、最終準備をしている段階であり、感染予防について、高い意識を持っていると思います。1、2年生についても、同じくしっかりと対策してくれていると思いますが、最近の感染に関する情報を見ると、本当に少しの油断もできないと強く感じます。全員で、決して学校にウイルスを持ち込まない、という気持ちを強く持って、それぞれが感染対策を万全にし、一段と気を引き締めて生活してほしいということを最後にお願いしておきます。

 創立121年目にあたり、生徒全員が、本校の更なる発展に貢献する一員となることを期待して、式辞といたします。

令和2年度第2学期終業式式辞

 暑い体育館で始業式を行った第2学期も、今日終業式の日を迎えました。今学期を振り返り、私から生徒の皆さんに伝えたいことは、「感謝」です。

 まずは、先ほどの伝達表彰の生徒たちの頑張りに対して。各自が成果を残した頑張りと、本校の名を高めてくれたことへの感謝です。

 次に、コロナの影響で、様々な学校行事の中止や縮小が危ぶまれた中、生徒会を中心として、知恵を出し合い工夫を重ねて、運動会や文化祭、グループマッチなどを、今までとは違った新しい丹高スタイルの学校行事として成功させてくれました。このことにも感謝です。

 そして、何より、平素の感染対策。マスクはもちろん換気、消毒を徹底してくれていることに感謝です。県内でも松山で、高校や中学校で臨時休校になったという報道がありました。もちろん、本校も絶対安全とは言えません。今後いつ、そうした状況になるかはわかりません。最近の感染経路不明の割合を見ると、いつでもだれでも感染する危機感を持たなければなりません。年末年始は全国で人の動きがあり、イベント等での混雑も予想されます。十分気を付けてほしいと思います。

 さて、先日はグループマッチの時間を利用して、学年ごとに校歌を大声で歌う時間をとってもらいました。これは、2学期は一度も校歌を歌う機会がなかったので、このままで学期を終えるのはいけないとの考えで、急遽、先生方にお願いして機会を設けてもらいました。屋外ですので全校生徒でマスクなしでやりたかったのですが、油断は禁物との思いから、学年ごとのマスク着用で歌ってもらいました。実際のところ、3年生は卒業までにあと何回校歌を歌う機会があるのかと考えると、やってよかったと思っています。みんなが大声で歌っている姿を見て、大変感動しました。ここでも、改めてみんなに感謝です。

 感謝のお礼として、1つ、私が常に心掛けていることを紹介します。皆さんの今後の学校生活や学習を行う上で、参考になれば幸いです。それは、「楽しいことをする」のではなく「することを楽しむ」です。

 これは、以前の勤務先の上司から教わったことで、今でも仕事をする上で常に心掛けていることです。人間だれしも、好きなこと、楽しいことは進んででもしますが、そうでないことは避けたくなるものです。なぜ自分がしなければいけないのかと愚痴も出そうになるでしょう。しかし、どうせしなければならないのであれば、いやいやするのではなく、どうすれば楽しくできるか、工夫しながらやりたいものです。幸せになる秘訣は、努力そのものの中に快楽を見いだすことだということです。仕事も勉強も同じだと思います。

 最後に、年明けに受験を控えている3年生へ。年明け早々、大学入学共通テストが行われます。私立大学の個々の入試も本格的にスタートします。全国にはたくさん同じ目標に向かって必死に努力している仲間というか敵がいます。みんな同じように不安と闘いながら、歯を食いしばって頑張っています。最後の最後まで粘ってほしいと思います。自分一人ではありません。一度や二度不合格になっても、そこで諦めたら、全国の敵にとってはライバルが一人減ることになります。つまり敵を喜ばすことになります。逆に言うと、入試は、後になるほど、ライバルが自らレースから離脱してくれるので、少ない敵との勝負になり、合格の可能性は高まります。最後の最後まで、あきらめずに粘ってほしいと思います。応援しています。

 新学期、皆さんと元気な姿で再会できることを楽しみにして、式辞といたします。

令和2年度第2学期始業式式辞

 夏休み期間中には、先ほど、表彰伝達を受けた皆さんをはじめ、多くの生徒が部活動、地域イベント、農作物の管理、販売、中学校を訪問しての出張授業など、様々な場面で活躍するとともに、多くの成果を上げてくれました。その様子は、テレビでも放映されました。こうした皆さんの活動が学校を元気づけ、地域や学校を活性化してくれていることにお礼を言います。また、連日の猛暑の中、部活動に真剣に取り組んでいる姿にも、感動しました。

 今日から2学期が始まります。例年とは違う短く、そしてものすごく暑い夏休みでしたが、生活リズムは維持できていますか。いよいよ今日から本格的にスタートします。コロナや熱中症の対策を十分とりながら、夢と感動に満ち溢れる充実した高校生活を一緒に送っていきましょう。

 2学期には、運動会や菊花展、文化祭など、多くの学校行事があります。加えて今年は、中学生の体験入学「丹高オープンスクール」も計画しています。丹高生の元気な姿を見せるときです。一人一人が役割を自覚し、責任を持ってそれらの役割をしっかり果たすことを通して、また一回り大きく成長してほしいと思っています。

 最後に、3年生は進学・就職がそこまで迫ってきました。先生方の指導を受けながらしっかりと準備を進めてほしいと思います。自分はこんな人間になりたい、こうありたいという理想をしっかり持って、面接練習や日々の学習に取り組んでほしいと思います。この2学期がみなさんとって「飛躍のステップ」となることを期待して、式辞といたします。

令和2年度第1学期終業式式辞

 コロナの影響で、一学期開始早々、休校、分散登校と続いたため、学校での平常の教育活動ができなかったことはとても残念に思います。特に3年生には、部活動がこういった形で終了したことに心から気の毒に思っています。しかし、切り替えて、前を向き次のステップに進んでくれている姿を見て、みんなの心の広さに感動しているところです。

 今も、マスク着用、消毒など感染防止対策が示されており、みんなもきちんと守ってくれています。当たり前のこととはいえ、素晴らしいことであります。節度ある行動をとってくれている生徒全員に感謝しています。そのような中、感染拡大防止に最前線でかかわってくださっている医療従事者の方々や、物流で国民の生活を支えてくださっている運送業の方々などの報道に接し、胸を熱くした人も多いと思います。

 こうして1学期を振り返ってみて、今日は「判断」について少し話をしたいと思います。人間は、生活してれば、毎日何度も判断しなければならない場面に出くわします。例えば、休日に友達と松山の美術館に行こうと計画していたが、コロナの感染予防のために、人込みを避けようとして中止の判断をするといったケースも想像できます。実際にそういう経験をした人もいるのではないでしょうか。この場合、後になってやっぱり行っても大丈夫だったのではと後悔することもあるかもしれませんが、やはりリスクを冒してまで実行するのはいけないこと、思いとどまって正解だったと実感する人のほうが多いと思います。後で振り返った時に、あの時の判断が正しかったとか、あそこで判断を誤ったとか私たちは考えるものですが、特に判断を誤ったときは、「あそこでなぜGoしなかったのか、あるいはstopできなかったのか」と悔やむことが多いものです。

 さて、友達から何かに誘われた場面を想像してみてください。普段から比較的距離の近い人たちがみんな乗り気な様子でも、自分はちょっとどうかなあと感じた場合、気持ちに引っかりがあった場合、yesかnoのここでも判断に迫られるはずです。こんな場面は結構多いのではないでしょうか。そこで、気が進まないときに、「俺はいいわ」、「私はやめとくよ」、この言葉を言える勇気を持ってほしいと思います。それを言われた方は、その言葉は、友人としての思いやりの詰まった忠告と受け止めて、そうだねと思いとどまるか、自分一人でもするのかを判断すればいいのであり、そんなことで関係が壊れたり、ギクシャクしたりするようであれば、ほんとの友人ではないはずで、自然に距離ができるものです。仮にそのことで仲たがいをしてしまっても、仲間は他にもいるし、noと言ってくれたあなたの気持ちを分かってもらえて仲直りする時が来るかもしれません。本当の友情とは、こういった場面を経て芽生え、互いに相手を尊重しながら、長く続いてゆくものです。高校生活の中で知り合う友人の中に、本当の友達、一生の友達は必ずいるはずです。私もそうでした。正しい判断、自分に正直な発言のできる生徒になってもらいたいと願っています。

 短い夏休みですが、一学期を振り返り、自分を見つめ直す期間となり、一回り成長した姿で二学期に再会できることを期待し、式辞といたします。

令和2年度第1学期始業式式辞

 新年度が始まりました。3月の卒業式以降、臨時休校が続いておりましたので、生徒の皆さんとこうして再会できることを大変うれしく思います。3月下旬からは、部活動も再開し、校内で練習に励む姿も多く見かけました。生徒の声が響く学校の良さを、私自身、改めて実感したところです。しかしながら、現在も、首都圏や関西方面を中心に、全国で感染者が急増しており、本県においても心配な状況であることには間違いありません。不要な外出や人込みを避け、換気の徹底や咳エチケット、手洗い、マスクの着用等、感染防止に十分な注意をお願いします。

 さて、今年度、本校は創立120周年を迎えます。皆さんは、この節目となる年に在籍することになります。先輩方が築いてこられた、栄光、伝統を継承しつつ、新たなページを創造していく使命を背負うことになります。と言っても、何が特別大きな役割があるわけではありません。私も、皆さんに何か特別なことをしてもらおうとも考えていません。皆さんの平素の学業に臨む姿勢、部活動やボランティア活動に励む情熱、相手を尊重し思いやる中で育まれる友情や信頼、そして多くの学校行事や学校生活の中で芽生える母校愛。これらをきちんと、欠かすことなく実行することが、伝統の継承につながるものと信じています。

 欲を言えば、先ほどの、学業、部活動やボランティア活動などにおいて、学年が進級したことより、昨年度以上の高いところを目指してほしいと願っています。具体的な目標やその内容は、自分で決めて胸にしまっておいてください。そして、その闘志を燃やし続けていてください。よく、あの生徒はよく勉強するようになったとか、行動が落ち着いてきたといわれることがありますが、それは当然皆さんがそのように心掛けているからの結果なのですが、そのきっかけ、変化の境目としてふさわしいのは、新学年への進級時であろうと思います。昨年度から何か一つでいいので、心に決めて実行に移してみてください。みんなでやれば照れくさいことはありません。特に3年生は、その姿が2年生の目に映り、2年生にも影響を与えてくれます。2,3年生の姿は新入生に丹原高校の良いところとして伝わり、学校全体が活気に満ちます。そうありたいものと願います。

 伝統ある丹原高校の更なる発展に向け、全校生徒が役割を自覚し、団結して、今年度をスタートしましょう。皆さんの更なる飛躍を期待して、式辞とします。

令和2年度入学式式辞

 暖かい春の日差しを受け、桜も美しく咲きほこる、春爛漫の今日の佳き日に、愛媛県議会議員 黒川理惠子様 をはじめ、多くの御来賓の皆様、保護者の皆様の御臨席を賜り、令和2年度愛媛県立丹原高等学校入学式をこのように盛大に挙行できますことは、生徒並びに教職員一同の大きな喜びであり、まことにありがたく、厚くお礼申し上げます。

 ただ今、普通科85名、農業科22名の入学を許可いしました。新入生の皆さん、入学おめでとうございます。この感激と喜びを忘れず、大切に持ち続けてください。私たち教職員は、皆さんの入学を心から歓迎し、皆さんと共に過ごすこれからの日々を大いに楽しみにしています。また、保護者の皆様には、立派に成長されたお子様の晴れの姿に、感慨も一入のこと拝察いたしますとともに、心からお慶びを申上げます。私たち丹原高等学校教職員は、お子様が成長していくための支援を全力で行う所存でございます。本校の教育に対して御理解と御支援を賜りますようお願い申し上げます。

 さて、新入生の皆さん。皆さんが本校で過ごす三年間は、生涯の礎を築き上げる大切な時期であります。皆さんの中にある限りない可能性を探り当て、自分を大きく成長させていただきたく、三つのお願いをします。

 一つ目は、「しっかり学ぶ」ということです。今、我が国では、情報化、グローバル化が加速しており、変化が激しく先が見通せない時代であるとも言われています。皆さんは、こうした時代を生き抜かなければなりません。学校の授業で学ぶ内容は、知識として役に立つことは間違いはありませんが、それ以外にも、学ぶことにより構築された思考のプロセスは、正解のない未知の問題に直面した時や、判断に迫られたときに、解決に向けた強いよりどころとなります。高校の授業は、中学校に比べると、内容も多く、進度も早くなりますが、先生方の指導にしっかり向き合ってください。学問の基礎を広く見渡すことで、自分が将来、より専門的に学びたいと感じる分野に出会うはずです。

 二つ目は、「一生の友を作る」ということです。 皆さんは、今日から本校の生徒として、冒険と挑戦の旅を始めることになりますが、それは、決して孤独な旅ではありません。笑顔で明るく元気な人のそばには、多くの友が集まります。お互いがふれあい、切磋琢磨し、友情を深める中で、人としてあるべき姿を考え、人間性を磨いてください。そうすることで、一生涯の友との出会いが必ず訪れます。

 三つ目は、「体を鍛える」ということです。本校には、運動会、クラスマッチ、活気溢れる部活動等、体力、気力、忍耐力を鍛える場が、教育活動の中にたくさんあります。時には、試合の結果から、挫折や、屈辱感を味わうこともあるかとは思いますが、これが青春です。青春の感動やときめきを体験しながら、生きていく上で基本中の基本となる心身の健康づくりに励んでください。以上の、三つのことを、これからの三年間心掛け、今日から始まる丹原高校での生活が希望と活気に満ち溢れた日々になることを願っています。

 丹原高校は、本年度創立120年を迎えます。新入生、在校生、教職員の一人一人が、自分の可能性に挑戦し、丹原高校の新たな伝統を創造できることを願って、式辞といたします。

令和2年4月8日
 愛媛県立丹原高等学校長 小池 照雄

年度当初のごあいさつ

 令和2年度が始まりました。昨年度に引き続き、本校の教育活動に対して、ご理解、ご協力をお願いいたします。

 新型コロナウイル感染症対策のため、3月4日から臨時休業に入っておりましたが、現在は部活動も再開し、校内で練習に励む生徒の姿も多くなってきております。しかしながら、毎日の報道を見ると、心配な状況であることには変わりありません。今のところ4月8日から新学期を迎える予定ですが、各家庭においても、引き続き、多くの人の集まる場所への立ち入りの自粛、咳エチケットや手洗い、マスクの着用、アルコール消毒、健康観察等をお願いいたします。 

 さて、本校は今年度創立120周年を迎えます。数多くの先輩方が築いてこられた伝統を継承しつつ新たな発展を目指し、生徒とともに教職員一丸となって取り組んでまいります。学校での生徒の活動の様子は、本校ホームページで随時発信させていただきますので、ご覧ください。 

 地域の方々や同窓生の皆様方の期待に応えられるよう、精いっぱい努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

令和元年度 卒業証書授与式 式辞

 霊峰石鎚の峰々から吹き降ろす寒風も和らぎ、春の訪れを感じさせる今日の佳き日に、令和元年度愛媛県立丹原高等学校卒業証書授与式を、多数の御来賓の御臨席と、保護者の皆様の御列席を賜り、かくも厳粛な中にも盛大に挙行できますことは、卒業生はもとより、私ども職員一同にとりまして、この上ない喜びであり、心から感謝申し上げます。

 ただ今、卒業証書を授与いたしました九十八名の皆さん、卒業おめでとう。皆さんの晴れやかな門出に心から祝福の意を表します。また、保護者の皆様、本日はお子様の御卒業、誠におめでとうございます。衷心よりお喜び申し上げますとともに、入学以来三ヶ年に亘り、本校の教育活動に深い御理解と、温かい御支援を賜りましたことに、謹んでお礼を申し上げます。

 皆さんは、来年度創立120周年を迎える歴史と伝統を誇る本校の卒業生として、輝きに満ちた新しき世界への第一歩を踏み出そうとしています。本日の栄えある卒業は、何より皆さん一人ひとりの向学心と、弛まぬ精進の賜であることは言うまでもありませんが、同時に常に皆さんを温かく見守り育んで下さったご家族の皆様方や、厳しくも慈しみに満ちた熱心な指導をしてくださった先生方、さらには先輩や後輩たち、そして友人の皆さんたちの支えなしにはあり得なかったことにも、思いを致してほしいと思います。

  さて、卒業生の皆さんがこれから羽ばたこうとしている新しい社会は、グローバル化や情報化、少子高齢化の進行に伴い急速に変化しています。みなさんが生まれてから今日までの20年弱の間にも様々な進展はありましたが、これから先の20年間に起こるであろう変化は、それらとは比べ物にならないくらい大きく、現時点では想像もできないような未来が待ち受けているものと思われます。AI等の科学技術の進展によりもたらされる生活様式の変化ばかりではなく、それに伴い消えゆく職業や新たに誕生する職業など、産業構造にも大きな変化が訪れると言われています。皆さんは間違いなく変革の中の厳しい時代を生きていくことになります。そうした時代を生き抜くためには、社会の動きを敏感に察知し、旧来の慣習や価値観にとらわれることなく、新しい発想や数ある選択肢の中から最善のものを見極める力が求められます。以前はこうだったから同じでなければならないという考え方ではなく、常に新しい道を切り拓く、新しいことに挑戦するという思いを持ち続けてほしいと願っています。

 そのためには、まだ学ばなければならないことがたくさんあります。ここで言う「学ぶ」ということは、単に知識を得ることではありません。どういう分野であれ、深く学び、知的鍛錬を続けることで、修得した知識が自分の思考の枠組みを形作ります。知識の蓄積と思考の繰り返しで鍛えた論理的思考のプロセスとその枠組みは、今後皆さんが直面する未知なる課題に対面したときに、強いよりどころとなります。新たな状況を自らの頭で理解し、問題を解決する力が発揮されるはずです。どうか生涯にわたって、学ぶ心を忘れず、絶えず知性を磨き、広い視野で社会を眺めることのできる教養を身に付け、社会の発展に貢献する人材になってもらいたいと願っています。

 進化論を提唱したイギリスの自然科学者ダーウインは、「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、環境に適応し変化できる者である。」との言葉を残しています。自分に何ができるのか、何をしなければならないのかを真剣に考え、時代を切り拓くパイオニアになることを期待します。

 これから皆さんが歩んでいこうとする人生には、数え切れないほどすばらしい出会いや楽しい出来事があることでしょう。そして同時に、辛いことや苦しいこともあるはずです。いつの時代にも、人生の行く手には、様々な問題が皆さんを待ち受け、その道は決して平坦ではありません。しかし、その時こそが、皆さんの真価が問われる時です。本校において文武両面で地道に努力を重ね、困難に打ち克ってきた自信と、学校生活の中で育まれた豊かな心で、それらを一つ一つ克服しながら乗り越えてほしいと願っています。

 本県で長年国語教師として教鞭をとりつつ詩作に従事した坂村真民は、まさに今述べたような人生を生き抜く強い気概を「七字(ななじ)のうた」という題で次のように詠んでいます。「よわねをはくな くよくよするな なきごというな うしろをむくな。」 短いながらも、力強く味わい深い言葉です。どのような困難が目前に迫ろうとも、目を背けず、背中を見せず、培った強靱な精神で立ち向かい、志高く希望を抱き挑戦してください。

 しかしながら、現実は口で言うほど容易ではないことも事実です。時には、何度も何度も、頑張っても頑張っても、なかなか目的に達することができないこともあることでしょう。しかし、どうかそのときには決して自分自身を見失ったり、自暴自棄になって努力をやめたりしないでください。前に進みたいと強く願い行動する者の目前には必ず壁は出てきます。努力を続ける限りそれは間違いなく乗り越えることのできる壁なのです。つらく苦しいと感じるのはもう壁をよじ登っている証拠なのです。あと一歩の努力。あと少しの努力。必ず道は開けます。それを信じて、そう自分に言い聞かせて乗り越えていってほしいと願います。

 人生は、未だ見ぬ自分(未見の我(われ))を発見するための果てしない旅です。まなざし高く未来を臨み、今という時を懸命に生き、輝かしい第一歩を踏み出そうとしている皆さんに、心からエールを送りますとともに、その人生の旅路に幸多からんことを心から祈念し、式辞といたします。

 令和2年3月1日 愛媛県立丹原高等学校長 小池 照雄

卒業証書授与式を行いました

 今年の卒業式は、新型コロナウイルス感染症拡大を防ぐため、規模を縮小して実施しました。

 来賓の皆様方からの祝辞も、お一方のみとさせていただきました。事前に祝辞をお願いしておりながらお断りさせていただいた方々には、ご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。

 在校生についても、式への参加は係生徒のみとさせていただきました。先輩の晴れ姿を見るのを楽しみにしていた1,2年生たちも大変残念だったことと思います。3年生にとって新しい世界への門出の式であるにもかかわらず、例年通りの盛大な式典を実施できなかったことを大変申し訳なく感じています。保護者の皆様方にも、このような状況をご理解いただきましたことに心よりお礼申し上げます。教職員一同、卒業生の門出を祝福するとともに、これからの活躍を期待しております。

 なお、当日予定していた校長式辞につきましても、式典の時間短縮のため、予定していた内容の一部を割愛させていただきました。改めて、全文を掲載させていただきます。

令和元年度 第3学期 始業式式辞

 冬休み中には、先ほどの表彰伝達で紹介された皆さんをはじめ、多くの部活動が練習に励んでいる姿を見させてもらいました。冬の努力の成果は、春に必ず芽を出します。さらなる頑張りを期待しています。

 令和元年度も今日から3学期です。3学期は総仕上げの学期であると同時に、次のステップへの接続を円滑に行うための準備の学期でもあります。

 1年生には、入学当初に真新しい緑のラインの丹高バックで登校する姿に、初々しさを感じていましたが、最近はみんな高校生らしい引き締まった顔に変わってきたと感じております。類型や選択科目を決める時期ですが、自分の将来を見据え、しっかりと歩みを進めてほしいと思います。

 2年生には、最高学年を迎えるにあたり、学校全体をリードする存在に早くなってほしいと願っています。今までは、困ったときには先輩に聞いたり、真似したりすることが簡単にできていましたが、これからは、自分たちが下の学年の生徒の模範となることが求められます。上級学年としての自覚をしっかり持たなければなりません。それが現3年生への恩返しにもなります。期待しています。

 そして、3年生。いよいよ高校3年間の総仕上げの時期です。センター試験まであと10日。ベストの状態で実力を発揮できるよう体調管理に気を付けてください。全国には、同じように不安と闘いながら最高の春を迎えるため必死に努力している高校生はたくさんいます。そして、本校にも、同じ目標に向かって頑張りあった仲間がいます。支えてくれている先生方がいます。すでに進路が決まっている生徒も含め、3年生全体で最高の結果を残すことができるよう、全員が団体戦メンバーの一員であることを自覚し、それぞれの役割を果たしてほしいと願っています。

 今年、丹原高校は創立120周年を迎えます。先輩方が築いてこられた伝統を引き継ぎつつ、文武両面において新たな伝統となりうる成果を勝ち取り、生徒の皆さんが本校の更なる発展に貢献する一員になることを期待して、式辞といたします。